河川敷でキャンプ?!愛媛の秋の風物詩「いもたき」とは?

これゼッタイ食べてみ!うまいけん

愛媛県人による絶対おすすめの愛媛グルメ。
うまいもんは地元の人に聞くのが一番!
ガイドブックにも載っていない(載ってるかも)珍グルメまで、愛媛県人ならではの視点からおすすめグルメをご紹介します。

“いもたき”って?

今回ご紹介するのはヒメセカの建築部門?担当の私高橋から、その食だけでなく食を取り巻く空間も含めて楽しめるグルメ情報。

そう、それは”いもたき”です。

地域によって「いもたき」と言ったり「いもだき」と濁る言い方があるようですが、里芋を煮た鍋料理のことで、極めてシンプルな郷土料理です。
もちろん家庭でもできますが、それではちょっとつまらない。

いもたき

紹介するのは西条市加茂川。
西条市は西日本最高峰の石鎚山がある町で、その恩恵に恵まれた「うちぬき」と呼ばれる自噴水がとても有名で、「水の都」と称されるほど。
町の中には常にたくさんの「うちぬき」があり、あちこちで湧き出る水に出会える瑞々しくきれいな町なのです。

いもたき

そんな町に流れる代表的な河川、加茂川の河川敷で行われているのがコレ。
加茂川の「いもたき」です。

いもたきは里芋を煮た鍋料理。
本当にただそれだけです。

それを大勢で集まって外で食べたらウマくない?ってそんなノリでやっているのが行ってみるとすぐわかります。

キャンプなんかで外で食べるとどんなカレーも美味しく感じて、カップラーメンだって絶品になるよねーってアレと同じです。
それをただ忠実に続けまくり文化になっているのが「いもたき」なんです。

それだけ聞くと、「あぁ、だったら別にわざわざ行かなくても近場で済ませられるよ、、」と思ってるあなた、違うんです。
違うんですよ、空間が。
その風景がなんともシュールで素晴らしいのです。

いもたき

サラサラと美しい水が流れる川のそば、河川敷には広大なシートが敷かれ、小さなガスコンロとガスボンベが大量に並べられます。

その風景は無機質で、なんの味気もありません。
むしろ誰かが火の始末を一歩間違えたら大惨事になるんじゃないかという恐怖感すらあります。
ガス管が縦横無尽に走っている中でコンロに火をつけて鍋食べて、時には花火も打ち上がりますからね。

いもたき

開始時間の最初はまだまだ殺風景です。
そこからわらわらと人が集まってきます。

入場した人は受付で鍋と具材を購入して、お花見のようにお気に入りの場所取りをして座ります。
ただお花見のように桜があるわけでもないので、基本的にはどこも同じで代わり映えはしません。
そういう意味ではみんなに平等でフラットと言えるかもしれませんね。
そこからはもう自由に火をつけて、勝手に鍋を始めます。

あとは細かいルールはありません。
みんな自宅からいろいろ具材持ってきていたりして、途中から無法地帯になりますが、それがどこまで禁じ手なのか、もはや知る由はありません。

いもたき
いもたき

こんなに大勢の人が同時に里芋を食べる空間を見たことがありますか?
この里芋を中心に繰り広げられる一体感とグルーブは、もはや「フェス」と言ってもいいでしょう。

西条市はだんじり祭りでも有名な場所なので、そういうお祭り魂みたいなのが根付いているというのもあるのかもしれませんね。

秋のイベントなので、少し先のお楽しみにはなりますが、今年の秋はホクホクの里芋と過ごしてみてはいかがでしょうか。
いもたきのイベント情報は西条市の公式サイトで案内されています。

いもたき