兵庫県出身。松野町・地域おこし協力隊、岸本有希さん(27歳)②



地域おこし協力隊の岸本有希さん。前回は協力隊に加入するまでの経緯を話してくれました。
今回は舞台を変えてすしえもんへ。笑すしえもん

地域おこし協力隊の活動

角田
ここからは、岸本さん自身の協力隊としての活動について、そして将来像についてお聞きしたいと思います。
現在、どんな活動をしているのか教えてください。
岸本
松野町には現在7名の協力隊員がいて、色々な課に配属されています。
私は観光振興の課に配属され、「食を中心とした松野町の観光まちづくり」というミッションのもと日々活動しています。
元々カフェ作りに興味があったので、面接時にそれを提案した結果今のミッションをいただきました。
角田
3月のイベントはまさにミッションそのものでしたね。
具体的にどんなことをしていますか?
岸本
松野町には、おかあさんレストランバイキングというものがあります。
道の駅「虹の森公園」で毎月第2・4火曜日に開催されています。
地元農家のおかあさん達が集まって、自分たちがつくった食材や地元の食材を使って料理をふるまうということをしています。
そのお手伝いをしながら、調理法や旬の食材などを学ばせてもらっていますが、神戸では味わえないような驚くべき体験がたくさんで毎回新鮮です。今まで見たこともなかった食材も使われていて、「それ食べられるの?」と思うような山菜もおいしく調理されます。

おかあさんレストラン1

おかあさんレストラン2

活動を通して見えてきた松野町の魅力と課題

角田
松野町で一年間活動してきて、印象に残っていることは何ですか?
岸本
まず、「人が暖かいな」というのが一番の感想です。
町中の方が気さくに声をかけてくれ、「町民同士のコミュニティがしっかりできている」という印象を受けました。
私のように外から来た移住者にもオープンな環境です。
例えば、その日出会ったおじいちゃんが野菜を分けてくれたり、隣に住んでいる農家さんが天然うなぎの獲り方を教えてくれたりします。

余談ですが、松野町には農家さんが川漁をしていたり、同じ農家さんでも時期によって違う作物を作ったり、いくつもの仕事を掛け持ちしている方が多いです。

あゆみ
今流行りの複業じゃないですか!
角田
世間は松野町から学ばなければなりませんね。
岸本
一方で、課題も見えてきました。
地方に共通する課題だと思いますが、利用者が少ない後継者がいないなどの理由で閉業になるお店が出てきています。
一昔前には町内にもたくさんのお店があったと聞きます。私の住んでいる地区でも買い物を済ますことができるほどあったそうなのですが。
最近町民の方から「お昼ご飯を食べるところがもう少しあれば・・・」「おかあさんレストランの回数を増やして欲しい・・・」などの声をよく耳にするようになりました。食を提供することへのニーズはあるんだな、いう発見もありましたね。
角田
魅力の一つとして、外から来た人に対してオープンなのは松野町らしい気がしました。
そこで気になったのですが、移住者の受入体制は整っているのですか?
岸本
協力隊の定住率が良いことや人口5,000人以下の「住みたい田舎」ランキング全国2位にもなっているので、移住者へのサポートも充実してきてはいます。
ただ町全体が受け入れてくれているかと言われれば、正直難しい部分もあります。
町内に空き家はあるものの、改修が必要のため、すぐ住める環境でないことも多いですね。
角田
外から来た人だからこそ、そのコミュニティに受け入れられるまでには時間がかかるのですね。
岸本
ここで、「町民はまだ協力隊のことを詳しく知らないのでは?」「本当の意味ではまだ受け入れてくれていないのでは?」と考えるように。
なので、まずは町民に協力隊のことを理解してもらうことから始めようという話になりました。
その一環として、月1回地域おこし協力隊で町民向けに新聞を発行しています。
協力隊とは何か、どんな活動をしているかを知ってもらいたいという想いで発行しています。

松野町でやりたいこと、松野町のためにやりたいこと

角田
地域に根付くことのやりがい、そして難しさを感じることができました。
岸本さん自身が起こしているアクションはありますか?
岸本
「カフェに興味がある」とお話ししましたが、それができる場所を探しています。
町内の空き家には、お店をしていた空き家もいくつかあり、店内のレイアウトなどをうまく活用できると良いかなと思います。リノベーションや改修費用をどう調達するかはこれからの課題でもあるのですが・・・。
角田
個人的な感想ですが、昔お店があった場所に新しいお店ができるというのは、町のおじいちゃんおばあちゃんたちも嬉しいんじゃないかと思います。
昔の思い出は残しつつ、新たな歴史が始まると。
岸本
私は任期があと2年なので、その間になんとか形にしたいです。
どうすればいいんだろう?とか迷っている場合じゃないですね。
あゆみ
クラウドファンディングとか、方法はたくさんあります!ぜひやりましょうよ!
角田
ヒメセカとしても全力でバックアップしたいですね!

活動中写真4

角田
協力隊として一年間活動をしてきて、自分の中で変わったことはありますか?
岸本
この一年間で、町民の想いに応えたい!という想いが強くなりました。
私は観光のミッションで来ているため、松野町を訪れる観光客向けに何かしたほうがいいのかな、と思っていたのですが、まずは町民が楽しくないと!という気持ちに変わってきているのが本当のところです。
角田
素晴らしい!
そのために、残りの任期でやりたいことは何ですか?
岸本
今考えているのは、地域の方が気軽に集まれるようなコミュニティスペースのような場所作りですね。お年寄りの方でも学校帰りの小学生でも、ふらっと寄ったら誰かがいて話ができる、そんな空間を作りたいと考えています。
できればそこで食も提供できれば良いかなと。
角田
町民同士の距離が近い松野町にはピッタリかもしれませんね。
岸本
イベントもしてみたいんですよね。町民の方とお話する中で感じたのですが、隠れた料理上手や凄腕農家さんが絶対いると思うんですよ。
あゆみ
そう思います!
岸本
現在は道の駅には出品していないけど、いいものを作っている農家さんとか。
あまり自信がない人でも気軽に提供できる場所があると、「これは売れるんだ!」という自信にもつながる気がしています。
隠れた魅力を発見することもできるので、さらなる観光資源となることも期待しています。
角田
岸本さんが今考えていること、絶対実現できると思います。ヒメセカとしてもすごく楽しみにしています!
岸本
ありがとうございます。
こうは言っているもののまだまだ道は長いので、まずは「言うこと」「やること」が大事だと思っています。

地域暮らしを考える若者、地元を離れることを考える若者へ伝えたいこと

角田
最後になりますが、岸本さんは生まれ育った神戸を離れて、地域おこし協力隊として一年間を松野町で過ごされました。
単刀直入に、松野町に来てよかったですか?
岸本
良かったです!
角田
この一年間で色んなことを経験されてきたと思います。
その経験を通して、若者に伝えたいことを教えてください。
岸本
住む場所がどこか、働く場所がどこかではなく、そこで楽しめるかどうか」が大事だと思います。
都会に行こうが地方に行こうが、その土地で楽しむことが大事かなと…。
私は、今の生活が楽しいので今後も松野に住みたいと考えています。確かに友達は少ないけど、濃密な人付き合いがちゃんと合って、好きな仕事ができる環境がある。だから楽しいと感じているのだと思います。
角田
イキイキとしている様子が伝わってきました。
少し前には全く知らなかった松野町でこんな想いができている。人生わからないものですね。
岸本
まずやってみないとわからないですね。

活動中写真5

住む場所がどこか、働く場所がどこかではなく、そこで楽しめるかどうか
この言葉が持つ意味はとても大きいと思っています。
どこに行っても夢は見つけられるし、どこに行っても楽しむことはできる。だからこそ、どこに行くかではなく、自分が何を選ぶかが大事なのだと感じました。
松野町を舞台に活躍し続ける岸本さんの今後が楽しみです!

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