今治市在住。タオル工場経営、丹後佳代さん(39歳)



 

丹後佳代さん(39歳)※取材時の年齢

  • タオル工場経営
  • 愛媛県今治市(旧越智郡)出身
  • 愛媛県今治市内在住

どんな仕事をしているんですか?

丹後さん

今治でタオル工場を経営しています。

主な仕事は、自社ブランド『OLSIA(オルシア)』の企画・製造、PR・販路開拓。デパートに飛び込みをしたり、催事で売り場に立ちストーリーを伝えたりして、職人さんたちが我が子のように織り上げたタオルをたくさんの方にお届けしています。

『OLSIA(オルシア)』という名前は、しあわせを織りなすというという意味で、みんなで名付けました。

催事は、お客様に直接出会えることが魅力の1つ。それぞれのライフスタイルをお聞きして、一人一人にあったタオルをご提案しています。特に自分と同じ30代40代の女性が、1日頑張った体をOLSIAのタオルで包んだときに、しあわせを感じ、そしてまた明日に向かえる力を織りなして欲しいと思いながらタオルをつくっています。

1日のスケジュールを教えてください。

丹後さん

06:00  起床
08:15  出発・出社 子供を送り出した後に業務開始
18:00  帰社       子供たちを迎えに行き習い事へ送る。その間に夕食作り
19:30  夕食
22:00  子供たちの寝かしつけ

販路がほぼ東京のため、東京出張も多いです。催事があるときには毎週東京だったりと、スケジュールによって頻度は変わりますね。一方で、遊べる日は限られた時間を活かすため朝8時から子供たちと公園で遊んでいます(笑)。

なぜ今の仕事を選ばれたんですか?

丹後さん

当初は、絶対タオル!という理由はなかったんです。

主人の家業である保険と不動産を手伝いながら、たくさんのご縁に支えられて12年仕事をしてきました。その中で、過疎化高齢化により故郷が寂しくなっているのを感じ、自分にも何かできないかと考えるようになりました。

そんなときに、創業100年近いタオル工場が後継者がなく廃業することを聞き、「100年紡がれた技術が終わるのは悲しい。次の世代に残したい」と思ったんです。

頼まれたわけではありません。売上も取引先も経験も知識0。何もないところからスタートでした。

しかし、不安に思っているのは時間の無駄です。周りの企業様に助けられながら、やれることはなんでもやろうと必死でした。その中でやっと自分たちのタオルが出来上がってきた感じです。今年の7月7日で丸4年になりますね。

仕事の魅力はなんですか?

丹後さん

この工場で、職人さんたちみんなとタオルが作れることです。

今年1月に初めてOLSIAのタオルが雑誌に載った際、職人さんたちが、「自分たちが作ったタオルってこんなにカッコいいんだ」って、すごく喜んでくれたんです。

それまでは、自分たちが織ったタオルをどんな人が買っているかどこで売られているのかを知らなかった職人さんたち。しかしそれ以降、「OLSIAは自分たちのタオルだ」と、みんなが自信を持つようになりました。

今では、「このデザインを入れてみたよ」などさらに積極的にアイデアを出してくれます。そうやってみんながこだわったタオルが出来上がったときは、これこそが私たちが守りたかったタオルだと感じますね。

これまでの人生について教えてください。

小・中・高校

雨が降ったら隣の家の洗濯物を入れて普通。それほどの田舎育ちでした(笑)。そんな環境だから他に遊び場がなく、小さい頃はずっと学校にいましたね。そこに行けば誰かがいる、学校という場所がとにかく大好きでした。そのため、小学4年生の頃から将来の夢は教師。進学先は、すべて教師になるための道を選びました。

大学

知らない世界を見たい(=都会に行きたい)と兵庫の教育大学に進学しましたが、いざ行ってみるとリスや猿が出るような場所。地元よりも田舎でした(笑)。しかし、だからこそ学生のほとんどが寮生活。寂しがりやの自分にとっては、すごく楽しい4年間でしたね。

主人と出会ったのも大学時代です。付き合ったのは彼が今治に帰るタイミングだったので遠距離恋愛を続けていました。

教師

無事に、夢だった小学校教師になることができました。配属先は、1学年1クラスという兵庫県の田舎。遊ぶ場所もなかったですし、のめりこむ性格から、朝は5時半からドッジボールの朝練、夜は地元のおじいちゃんの畑の手伝いと365日を仕事に捧げる生活でした。

子供の成長は喜びでしたが、結婚してもこの生活を続けるのは無理だと思ってしまって…。主人が家業を継ぐのも知っていたので、2年間勤めたのち、結婚を機に今治に帰りました。

プロ

今治では、主人の家業である保険業と不動産業を手伝いました。「おじいちゃんにお世話になったの」「お父さんは元気?」など、世代を越えてお客様から声をかけて頂き、人々の繋がりで仕事が成り立っているのを知りました。教師よりも向いていると思いましたね。なりたいものになったけど上手くいかなかった過去と、なろうと思ってなかったもので幸せを感じる今。人とのご縁により、ますます今治を好きになりました。

丹後さんを表す、価値観を教えてください。

丹後さん

『一人でできることは少ない』

ご縁を頂いてすべてがあると思っています。

タオルに関わった当初、「簡単だと思ってるんじゃないか」「続かないでしょ」、そう思われたこともあったと思います。そんななか助けてくれたのは、「頑張れよ」と声をかけてくれたり、仕事を回してくれたりした地元の方々。

いわば、保険と不動産をする中で培った地域とのつながり、そして3代前から紡がれてきたご縁でした。

現在、東京で雑誌に取り上げて頂いたり、催事を開催できているのもご縁です。業界や仕事という枠組みを超えて、たくさんの方々に支えられていますし、これからも出会うご縁を大事にしたいと思っています。

ライターあゆみ

OLSIAも購入できるオフィシャル通販サイトは『こちら』から

また、東京都内にある、日本橋三越本店でも、OLSIAがご購入いただけます♪

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