北海道札幌市出身。徳島インディゴソックス投手、三木田龍元さん(24歳)②



前回インタビューでは、ここまで野球を続けている根源となる想い、そして、それを生かして大学入試に臨んだ過去を教えてくれました。
しかし、三木田さんの人生はここからさらに選択の連続となります。どんな選択肢を持ってどう決断したのか。それを今回のインタビューで伝えていきます。

身近なものでも、突き詰めて考えると面白い

角田
ここからは、大学時代以降の話を伺っていきます。
大学で野球をしてみて、実際どう感じた?
三木田
やはり、高校と比べるとレベルが高いなと感じました。北大もそうですが、同じリーグで所属する私大の選手たちは、本当に実力のある人ばかりで、対戦していて楽しかったです。
角田
大学野球から離れて見てみると、本当にレベル高いと感じる。
1年生からずっと試合に出ていたけど、本格的に先発をしていたのは4年生からだったよね。
三木田
大学3年まではリリーフが多かったのですが、4年では先発をやらせてもらえるようになりました。
4年春に、これまで5年間ぐらい負け続けていた大学を相手に、一人で投げ抜いて白星を挙げたのは本当に自信になりました。
角田
あの試合、俺もスタンドで観てたけど、マジで良い試合だったよね。
急に話変わるけど、この時期に専攻とは関係ないように思える気象予報士を受験。
受験しようと思った経緯などを教えてほしいな。
三木田
このとき、理由あって1年間休学をしていました。
野球に集中できた反面、どうしても時間を持て余してしまい、何か新しく始めようと。
本屋に行ってみると気象予報士の本があって、「メジャーな資格だよな」と思って試しに買ってみました。
読んでみるとすごく面白くて、ハマって勉強するようになりましたね。
角田
どういうところが面白いって思った?
三木田
自分の生活に身近なことを知れるところですね。
例えば、どうして雪が降るのか、どうして台風は発生するのか等。
特に北海道民にとって身近な雪のことを、ただ降ってくるものとして見るのではなく、突き詰めて考えてみると面白かったです。
角田
天気予報もほぼ毎日観るし、知識を持って観るとまた面白そうだね。
メジャーな資格な分、合格も難しいんでしょ?
三木田
合格率は5%程度なのですが、そこは努力して合格しました。
角田
そこが龍元の強さだと思う。妥協せず努力できるところが。
当たり前だけど、気象予報士の資格を持った野球選手なんて滅多にいないよね笑
三木田
そうだと思います笑
実際、独立リーグに入るときは、そういった面で話題にしてもらってました。
でも、僕としては悪いことだとは思っていません。
一人の選手として、その話題をきっかけにお客さんが一人でも多く見に来てくれるなら、それは自分にとってもリーグ全体にとっても良いことだと捉えています。

相談したことで、迷いを断ち切ることができた

角田
大学の野球部を引退し、その後1年間はウイン北広島という硬式野球のクラブチームでプレー。
大学野球を引退したとき、社会人でも野球をやろうと思ってたの?
三木田
いえ、最初は前向きには考えていませんでした。
休学していたために学業が丸々1年分残っていて、忙しくなりそうだったので。
ですが、ウインの方が積極的に誘ってくれて、学業との両立もできそうな環境だったので、入団することにしました。
角田
そこでもいい出会いがあったのだね。
ウインでの1年間は、どんなことに注力していたの?
三木田
ウエイトトレーニングですね。
社会人のクラブチームなので、それぞれ仕事があるためにどうしても練習時間を確保することができません。
僕も実習などがあり、まとまった時間を確保できませんでした。
そうした環境だと個人で鍛える時間が必然的に多くなり、元々体が細かったこともありウエイトトレーニングに注力。
すると、体が大きくなり、球速が今までで一番速くなりました。
間違いなく、独立リーグへ進むことになったきっかけでした。
角田
確かに、大学時代よりも体が大きくなってる。
大学を卒業してから初の140km/h越え。努力のたまものだね。
三木田
独立リーグのトライアウトでも140km/hを超えました。
自分でもびっくりです。
角田
大学卒業のタイミングでは作業療法士の資格も取得。気象予報士の資格もある。大学院など学問の道に進む選択肢もあったと思うけど、野球の道を行こうと決めた理由について聞きたいな。
多分、読者も一番気になるところだし。
三木田
当初は大学院へ行こうと思っていました。作業療法も4年間学んできて、気象予報士の資格も取得して、どちらか一方の道だけで進んでいくのは、「僕じゃなくてもできるよな」と思ったんです。
そこで、両面を持ってアプローチできる勉強をしたいと思い、出会ったのが「生気象学」という学問。
調べてみると、生気象学の有名な先生が北大にいて、その先生に連絡すると、すごく歓迎してくれました。
だから、その先生の下で学ぶべく大学院試験の勉強を進めていたのです。
角田
それすごい偶然だよね。
そこまで話が進んでて、結局大学院に行かない選択をした理由は?
三木田
実習をしているときに知ったのですが、とある理由でその先生から教えを請うことができなくなりました。
僕としては、その先生のもとで学ぶつもりでいたので、正直ショックは大きかったです。
とはいうものの、野球選手としても結果が出始めていて、野球の道も選択肢にはありました。
そこで、同じチームで独立リーグに挑戦している先輩がいたので、相談してみることに。
その先輩に後押ししてもらい、モヤモヤしていた気持ちを断ち切って独立リーグへ挑戦することを決めました
相談していなかったら、決断できていなかったかもしれません。

諦めない自分に誇りを持てば、どんなことも選択できる

角田
四国アイランドリーグplusでプレーし始めて丸2年。
NPB(日本プロ野球)入りを目指して奮闘中の龍元ですが、これまでの人生で感じてきたことを聞かせてください。
三木田
まずは、選択肢を多く持つことは大事かなと思います。
やりたいことがあっても「自分には無理だ」と思ってしまうと、自分で選択肢を狭めてしまいます。
今は無理なことでも、チャレンジしていくうちに昔の自分にはできなかったことをできるようになります。
最初から無理だと諦めるんじゃなくて、諦めない自分に誇りを持てるようになれば、どんなことも選択できるようになる
それを繰り返すことで、自分が本当にやりたいことに出会えるのではないでしょうか。
角田
気象予報士の受験して、自分のものにしているのがまさにそうだよね。
周りからは色々言われたりしないの?
三木田
この年になって新しいことに挑戦しようとすると、色々なことを言われます。
その内容は全うなことなのですが、結局決めるのは自分自身。
周りがどうこうではなく、自分の意志に従って決めていきたいです。
だから、勉強して最低限知識をつけておけば、自分の選択肢は広がりますよね。
やりたいことに対して遠回りになるかもしれませんが、道は確実につながります。
角田
「なんで勉強しなきゃいけないのかわからない」と思う学生も少なくないし、実際俺もそうだった。
将来何につながるかわからないからこそ、「自分が選びたいものを選べるようになる」のが、学校の勉強を頑張るモチベーションになるかもね。
最後に、15年以上野球を続けてきて、その原動力となる部分について聞かせてください。
三木田
長い間野球をしているし、今もレベルの高い環境でやらせてもらっていますが、野球を嫌いになったことは一度もありません。
その理由は、「やらされている」と思って野球をやったことがないからです。
自分で考えながら練習して、そこで上達できる実感が得られれば、どんどん上手くなると思っています。
自分で選択して、自分に努力が返ってくるという意識で野球に取り組むことが、野球を好きになることにつながります。
だから、今の環境を仕事と捉えたとしても、やらされて仕事をするのではなく自ら考えて仕事をしたいですね。
角田
ありがとうございました。いい話をたくさん聞けました。
一つでも上のレベルに行こうとしている龍元の言葉は、挑戦しようとする多くの人に響くでしょう。
では、徳島インディゴソックスの選手として、メッセージをお願いします。
三木田
四国アイランドリーグplusを多くの人に見てもらいたいと思っています。
そのためには、まずリーグのことを知ってもらう必要があります。
僕達が必死にプレーすることによって四国全体を盛り上げ、地域貢献へつなげることもリーグの多くなテーマです。
選手は皆自分のチームに誇りを持ってプレーしています。ぜひ球場に足を運んでいただき、その姿を一目見てください。よろしくお願いします!

 

 

自分が興味を持ったものに対して、まずは選択肢の一つとして持ち、あらゆる可能性の中で道を切り拓き続けている三木田さん。
今の自分にはできないことでも、諦めずに挑戦し続ければ、それは必ず自分に返ってくると教えてくれたように思います。
愛媛県民と同じ四国で戦う三木田さんを、そして、四国アイランドリーグplusを応援していきましょう!

この記事を書いた人

角田 尭史(すみだ たかし)

松前町出身。東京のWebメディアで編集者として働く傍ら、「図解で情報格差をなくす」を目標に、図解による情報共有・意志共有を促進する活動を開始。夢は、「前向きな世界をつくる」こと
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