伊方町在住。三崎高校公営塾「未咲輝塾」・塾長、長瀬智寛さん(26歳)



 

長瀬智寛さん(26歳)※取材時の年齢

  • 三崎高校公営塾「未咲輝塾」講師(主に英語)・塾長
  • 愛知県名古屋市
  • 伊方町三崎

どんな仕事をしているんですか?

長瀬さん

三崎高校の公営塾「未咲輝塾」で、講師 兼 塾長をしています。

公営塾とは、学習塾のない三崎町で、町が運営している塾のこと。現在、県立三崎高校の生徒84人のうち、25名が「未咲輝塾」に通っています。

「未咲輝塾」の特徴は、学校や一般的な学習塾とは違い、各生徒の興味に合わせた分野を教えていることです。

例えば、熱帯魚好きの生徒には、僕の友人の熱帯魚博士を紹介したり、K-POPをきっかけに韓国が好きになった生徒には、韓国人がオンラインで韓国語を教えたり。

もちろん、大学進学を希望する生徒には、習熟度にあった受験勉強を提供しています。

生徒の好きややりたいを尊重しているため、それを引き出すために、月1の面談のほか雑談も積極的にしていますね。

ありがたいことに全国から注目されている取り組みのため、立ち上げ期から関わっている身として、外部の方々との連絡やアテンドも担っています。

1日のスケジュールを教えてください。

長瀬さん

出社が午後からなので、午前中はすぐ近くの海で釣りをすることも。連れたアジをそのままお昼ごはんにすることもありますね(笑)

元々、伊方町の地域おこし協力隊として雇用されているので、未咲輝塾の活動意外にも地域の方々のお手伝いをしたりイベントに参加したり、地域に密着した活動しています。

なぜ今の仕事を選ばれたんですか?

長瀬さん

伊方町で宿泊した、旅館のオーナー家族に惚れたことがきっかけです。

伊方に来る以前は、フィリピンボランティア・ベトナム留学・フィジー就職など、どちらかというと海外志向でした。しかし、内閣府青年の船で11か国の方々と話したときに、「海外の人たちの良さ」は説明できても、日本人の良さを知らない自分に気付いたんです。

「日本人の人間味が感じられる田舎で地域にどっぷり浸かって生活したい」。

そんなときに未咲輝塾のプロジェクトを知り、実際に伊方町を訪れてみました。

すると初めてきたにも関わらず、旅館のお父さんがパジャマ姿で「おう、おかえり」と出迎えてくれたんですよね。「お帰りなさいませ」や「いらっしゃいませ」って言われると思っていた自分には衝撃で…(笑)

しかし、都会育ちの自分にとってこれまでになかった人の温かさを感じました。そのレベルの高いおもてなしと公営塾運営への興味で、伊方町で働きたいと思いました。

これまでの人生について教えてください。

小・中・高校時代

小3から高1の冬まで皆勤賞、とにかく学校が大好きな子供でしたね(笑)というより、学校へ行くことが『当たり前』だと思っていました。しかし小6のときに「あいのり」でカンボジアの映像を見て、同世代の子供が学校に通えていないことに衝撃を受けたんです。それが、初めて海外に興味を持ったきっかけですね。

もう一つの転機は、高1のときに部活を辞めたことです。「部活をするのが普通」「学校に通うのは当たり前」それまで『当たり前』に流されていた自分にとって、初めて自分で考えて決断したことでした。

海外に目覚めた大学時代

大学の入学式から僕の海外人生は始まりました。フィリピンに学校を建てるというサークルのビラを貰い、あいのりの記憶が蘇ったんです。1・3年次にフィリピン、2年次にベトナム、4年次には1年間休学をしフィジーに行きました。海外でいつも感じるのは、日本とのギャップ。自分の世界を広げてくれる世界にのめり込みましたね。

長期留学にフィジーを選んだのは、当時世界一幸せな国だとされていたからです。幸福の秘訣は何なのかを知りたくて、午前中は語学学校に通いながら、午後は街で「あなたは幸せですか」と聞きまくっていました(笑)。

フィジー就職時代

大学卒業後はフィジーの語学学校で2年間働きました。留学時に出会い尊敬していた日本人マネージャーに誘って貰ったからです。今の生活を幸せだと言いきり、辛いときこそ笑う。これを実践できるフィジーの人たちはとても魅力的でしたね。

また、実際に自分で見て聞いた体験を積み重ねたことで、『当たり前』に対しても、疑問に思って、体験して、体験を経てまた考える。そうして次の行動に繋げていくのが大事だとわかりました。

内閣府「世界青年の船」に乗船したとき

フィジー生活は楽しかったですが、内閣府の「世界青年の船」に参加するために、25歳で帰国しました。

インドとスリランカに34日間かけて船で行き、様々なフィールドワークや学びのシェアを行うのですが、11か国240人が朝から晩まで話し合う様子はまさにカオスでしたよ(笑)。

しかし、教育や心理学、デザインなど様々な専門性を持った同世代たちと、一つの問題をあらゆる視点や角度から話し合えたのはとても刺激的でしたね。

将来の夢について教えてください。

長瀬さん

常に新しい選択をする自分でありたいと思います。

なぜならば、自分自身が新しい経験をしたり学んでいないと、生徒に『選択肢』を伝えられないと思うからです。そういう意味では、住んでいる場所を定期的にガラッと変えるのもあり。しかし、それも伊方町の生徒のためになると思っています。

例えば、9月にデンマークと韓国に行ったのですが、Skypeを繋いで授業をしたところ日本とは違う街並みや文化が映り込む様子に生徒たちが喜んでくれました。

僕が「あいのり」を見て人生が変わったように、住んでいる場所を変えて発信することで、彼らの将来の幅が広がれば面白いと思いますね。

長瀬さんを表す、価値観を教えてください。

長瀬さん

『セレンデピティを求めて生きている』

セレンデピティは「偶然」という意味。全ての選択は、様々な偶然(=セレンディピティ)が重なってできていると思います。

僕自身、偶然見たあいのりや偶然貰ったフィリピンのビラで人生が拓けました。

面白いのは、偶然をち自分自身に生かすとその偶然が必然に変わること。そんな偶然を大切にして、そして偶然を楽しんで生きたいですね。

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