新居浜出身。アイルランド・フリーデザイナー、作岡江里子さん(28歳)②




大阪でのデザイナー勤務を経て、フィリピン、デンマーク、アイルランドを渡り、フリーデザイナーとして活躍されている作岡江里子さん。
前回のインタビューに続き、今回は、フリーランスになったきっかけや英語について。また今後やりたいことなど、たくさんの写真も交えながら、教えて頂きました!

自分と会社を切り離したら何も残らないんじゃないか

あゆみ
確かに、デザイナー採用だとデザインだけするのかと思ってた!色んな経験を積めたんだね。その後、やりがいのあった会社をなんで辞めたの?
作岡
元々、どんなに辛くても3年は頑張ろうって思ってたんですよ。「3年頑張れば好きなことをやれるから踏ん張るんだ」って自分で自分に言い聞かせていました。3年っていう数字に特に意味はないんですが(笑)

で、社会人3年目が終わり、自分自身を振り返ってみた時に、自分はどれだけ成長したのか考えて。
もちろん出世もして、精神面も鍛えられました。でも、これってこの会社だからこそ活かせる能力であって、自分と会社を切り離したら何も残らないんじゃないかなって気づいたんです。会社や他の人に頼るんじゃなくて、ひとりでも自立した人間にならなきゃと、ひやっとしましたね。

そんなとき、視野を広げようと思って、起業とかスタートアップ、異業種交流セミナーに参加していました。デザイナーはデザイン系の交流会に行くらしく、普通の交流会に行ったら珍しがられて(笑)。そこで出会った人たちに、名刺を新しく作りたいとか、会社製品のカタログを作りたいとか、気づいたらデザインの相談を受けていました。
社内では、デザイナーよりも社長秘書の業務比率が多かったんですが、外部でデザインをさせて頂くチャンスがあったので、割り切れたのは良かったです。

あゆみ
おおー!ここすごく深いね。確かに、自分の価値をどこに置くかを見極めるのは重要かも。それが退職するきっかけになったの?
作岡
実はもう1つ心の中でモヤモヤしていたことがあって…私は、子ども達が「これ、かわいい!」って、にこってする瞬間を思い浮かべながらデザインをしていました。仕事を通して私は子どもたちを幸せにしているんだって信じていて。

ところが、中国の工場に出張したとき、小学生くらいの子供が働いているところを見ました。小さなおもちゃなどを作るには、大人の手だと大きすぎるそうなんです。貧しい家の子にとっては、お金を稼ぐ大切な手段かもしれません。それでも私には本当にショックな光景でした。
子どもを幸せにする商品を作るために、他の子どもを不幸にしているんじゃないかなって。すごく考えさせられましたね。

あゆみ
それは…確かに一度立ち止まるきっかけになったのかも。フリーランスに抵抗はなかった?
作岡
はい。当時は、会社→問屋さん→小売りさん→お客様の商流だったので、お店に並んでいる自分の商品を見ることはあっても、買った子の笑顔を直接見れないのが悲しかったです。

その点、フリーランスではお客様と直接話をして、要望もすぐにデザインに反映することができます。完成したデザインに喜んでもらえた時は、自分が何かの役に立てているんだと分かって嬉しいですね。

作岡江里子
http://okaeri-design.com/
(写真↑まさかフリーでやるとは考えておらず、思いがけない展開に急いで自身のデザインサイトを立ち上げました時のこと。 この時すでに北欧が大好きでフィンランド語が入っているそう(笑) )

朝から夜まで1日中英語を使える環境

あゆみ
その後、フィリピンでWEBデザイナーとして働いてたとか。なんでフィリピンだったの?
作岡
今、欧米よりも安い費用で英語が学べるフィリピン留学が流行っているんですよね。フィリピンでは英語が公用語として日常的に使われているので、ネイティブに負けない英語を話すんです。高校生の頃から北欧のデザインが好きで、ずっと住んでみたいなと思っていました。ただ、北欧で暮らすには英語が欠かせない。そこで、フィリピン留学を考えたんです。

そこでフィリピン留学の斡旋会社に「日本でデザイナーをしてて、海外で活躍したいので英語を学びたい」って相談をしました。そしたら、「ちょうどうちの会社でデザイナーを募集してて良ければ一緒に働かない?」ってオファーを受けて(笑)。

あゆみ
それは願ったり適ったり(笑)!勉強もできて、お金も貰えるなんて!英語は上達した?
作岡
韓国人、中国人、ベトナム人など、同年代のアジア人がたくさん集まる会社でとても楽しかったです。オフィスと寮が一体で、同僚とは常に一緒。朝から夜まで1日中英語を使える環境でした。会社では、初めてウェブデザインもしました。新しいことも学べていい環境でしたね。

ただ、後に知ったんですが、この会社では母国語とビジネスレベルの英語力+もう1つの外国語が必要。3カ国語を話せて当たり前の人が集まる環境だったんですよ。ベトナム人と中国人が韓国語で会話していたり、日本人と韓国人が中国語で話していたり(笑)

私の場合、先輩の韓国人デザイナーが日本語が話せたのと、緊急でデザイナーを求めていたらしく、日本語しか話せなくても雇ってくれたんです。
そんな中、「なんで英語すら話せないのに入ってんだ。」って私の悪口を言う人もいて…。そこで悔しいって思って、そんな人を見返してやりたいって勉強に身が入りました。

作岡江里子
(写真↑フィリピンで真夏のクリスマスパーティ!左から二番目が作岡さん。フィリピン人はもちろん韓国・中国・ベトナム人合わせて20人。同年代が多くて、和気藹々とした楽しい職場だったそう。)

あゆみ
なるほど!やっぱり作岡さんのモチベーションって、負けん気なんだね。それからヨーロッパに渡ったきっかけを教えて下さい。
作岡
英語を身につけて、半年後にはデンマークに行きたいと思っていました。ただ会社からの更新が続いて結局1年。そろそろデンマークに行くって会社に伝えたら、「遠隔で仕事をお願いしたい。」って言ってくれて。

家族や友達との時間も大切にできるデンマーク人のライフスタイル

あゆみ
デザイナーだと、遠隔でも仕事が出来るもんね。なんで、デンマークに住むことにしたの?
作岡
大好きな北欧で本場のデザインを学びたいと思っていました。ワーホリ(※)があるのは、デンマークかノルウェーの2カ国なんです。私はノルウェーのデザインよりも、デンマークのデザインの方が好きだったので、デンマークに決めました。

デンマークってデザイン王国なんですよ。街にあるポスターやお菓子のパッケージツアー1つとっても、本当に可愛くてお洒落。街の人のファッションなども大好きでした。あとは、デンマークって、医療や教育や福祉など、国のケアが充実していて世界一幸福な国でもあります。仕事だけじゃなくて、家族や友達との時間も大切にできるデンマーク人のライフスタイルは、私の理想でした。

しかし実際は、デザインの勉強と現地での仕事、そしてフィリピンからの仕事の両立が本当に大変でした。ただ、それを乗り越えたおかげで、今でも毎日メールとスカイプでデザインの仕事をいただいています。好きな場所に住みながら好きな仕事ができて、本当に感謝しています。

※ワーキングホリデー 日本とワーキングホリデー協定を結んだ外国に1~2年の滞在許可が下り、その間就学、旅行、就労、生活が許可される制度。対象は、18歳から30歳の日本国民。(参照元:日本ワーキング・ホリデー協会)

作岡江里子
(写真↑首都コペンハーゲンで一緒に働いていた同僚の方々。デンマークをはじめとするヨーロッパ各国、オーストラリアや南米などの人で、インターナショナルな職場だったそう。)

アイルランドは愛媛と似ていて、暮らしやすい

あゆみ
デンマークで1年ワーホリして、今はアイルランドに住んでいるの?
作岡
はい。ヨーロッパが大好きでずっと住みたいと思っていました。大阪で働いてた時も長期休暇はヨーロッパに行っていましたし(笑)。

なので、もう1年ヨーロッパの国でワーホリをしたいなと思っていて。ただ、どこにしようって。
そのときデンマークから小旅行でアイルランドにいったんです。アイルランドって、他のヨーロッパの国とちょっと違うんです。島国で一番離れているからか、自然もいっぱいあるし、人も穏やか。
近代的で洗練されているデンマークで1年過ごしたので、今度はのんびりした田舎が恋しくなりました(笑)。

アイルランドって保守的で、愛媛と似ていてのんびりしてて暮らしやすいんですよ。今2か月くらい経ちましたが、自分には合ってると思います。

あゆみ
じゃあ、これからあと10か月はアイルランドで頑張るんだね。作岡さんの今後やりたいことを教えてください。
作岡
アイルランドに来てすぐに irish-jp.netという、日本人に向けたアイルランドのコンテンツを立ち上げました。アイルランドは自然が美しくて、綺麗な建物はもちろん、素敵な人もたくさんいて…素晴らしい国なんです。アメリカやヨーロッパの方には人気なんですが、日本ではまだアイルランドがあまり知られていません。そこでもっとアイルランドの情報を日本に向けて発信していきたいと思っています。

今まで、いろんな人に助けて頂き、たくさんの経験をさせて貰いました。彼らがチャンスをくれたから、今の自分があると思います。なので、次は自分が経験したことや学んだ情報をどんどん外に発信して、少しでも誰かの役に立てば嬉しいなと思っています。それが海外なのか 日本なのかは分かりませんが、やってみたいと思ったことは失敗を恐れずに、どんどん挑戦するつもりです!

作岡江里子
(写真↑左側の irish-jp.netのロゴはアイルランドのシンボルである三つ葉のクローバーをモチーフに作岡さんがデザインしたそう。右側の写真のような絶景スポットがアイルランドにはたくさん。)

「好きなもの」を大切に、夢に向かって

あゆみ
作岡さんなら、逆境があっても乗り越えて、周りの声も声援にして進んでいく気がするなあ。最後に!これを見ている愛媛の若者にメッセージをお願いします。
作岡
わたしの大好きな愛媛の人たちが、世の中でもっと輝いて欲しいなと思っています^^若い子たちが夢を叶えるために努力している姿は、キラキラしてとても素敵だから。

「自分にはできない」なんて、やる前に諦めないで下さい。だって、できるかどうかはやらなければ分からないから。ただ、失敗したときは、原因を振り返ってみてください。そこで逃げないで自分を見つめれば、失敗から学べることはたくさんありますよ♡

挑戦し続ければ、少しずつ自分の目標に近くはず。あなたなら大丈夫。これからも「好きなもの」や「やりたいこと」を大切にして、皆さんが将来夢を叶えて、毎日楽しく過ごせることを応援しています。

ただ、頑張りすぎたら疲れちゃうので、時々休んでリフレッシュして。焦らないで、のんびり、ゆっくり、自分のペースで頑張ってくださいね♪

「好きな場所に住みながら好きな仕事ができて、本当に感謝しています」
逆境をばねに積み重ねた努力と、周囲からの温かな声援のおかげで、理想とするライフスタイルで働けているという作岡さん。
デザイナーとして世界を舞台に!アイルランドにとどまらない、益々の活躍が楽しみです。

🍊作岡さんのアイルランドの魅力たっぷりのインスタグラムはこちらから🍊

作岡
https://www.instagram.com/elico39/
インスタグラムからアイルランド生活の様子を更新しています^^
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作岡江里子

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